ABOUT US|SheSTEM Japanとは
SheSTEM Japan は、女子児童の理系進路にまだ大きな可能性が残る日本で、
その一歩を広げるためのプロジェクトです。
算数や理科への苦手意識は、男女ともに小学期までに形成されることが多く、
女子児童には、そのうえで「理系は男子向き」などのジェンダーバイアスが重なり、
本来の可能性が見えにくくなることがあります。
*
だからこそ私たちは、女子児童の段階で、
理科や算数の「やってみたい」「できた!」という小さな自信を丁寧に積み重ね、
興味が自然に広がっていく環境づくりを重視しています。
STEMの学びを通じて、女子児童の好奇心と自己効力感を育み、
未来の進路が性別に左右されない社会をめざします。
* 例:American Institutes for Research (2025)「Girls face stereotypes about STEM abilities as early as age 6」/ McGuire et al. (2020)「STEM gender stereotypes from early childhood through adolescence」ほか。
SheSTEM JapanとSDGsのつながり
SheSTEM Japanは、SDGsゴール4・5・8を中心に、
女子児童の教育・ジェンダー平等・未来の働く力を育む活動を展開しています。
SDGsゴール5「ジェンダー平等を実現しよう」は、当初は主にwomen(成人女性)を中心に議論されてきましたが、
近年ではgirls(女子児童)が正式に対象として加えられ、教育機会の拡充とエンパワーメントの推進が国際的に重点化されています。
“Achieve gender equality and empower all women and girls.” — SDG 5*
(「ジェンダー平等を達成し、すべての女性と女子児童をエンパワーする」)
* United Nations, Sustainable Development Goal 5: Gender Equality — Official wording “all women and girls”.
PROGRAM FRAME|3つの探究プログラムと学びの循環
SheSTEM Japanは、年齢・立場・目的の異なる3つのプログラムを通して、学びの循環をつくります。
女子児童が「学ぶ力」を育て、大学生が「支える力」を伸ばし、企業が「共に創る力」で教育に関わる。
この3層の連携が、次世代の
非認知能力=社会人基礎力
を社会全体で育む仕組みです。
SheSTEM Japanが目指す「学びの循環」
| プログラム | 主体 | 育成する力 | 非認知能力との関係 |
|---|---|---|---|
| STEM Explorer | 女子児童 | 学び続ける力 (自己制御・継続力) |
「あーでもない、こーでもない」と考え抜く探究を通じて、 学習習慣と社会人基礎力の原型を育む。 |
| STEM Mentor | 理系女子大学生 | 支える力 (共感・協働・発信) |
教育を支える実践の中で、社会人基礎力を体得。 |
| Co-Lab | 企業・行政・教育機関 | 共に創る力 (挑戦・創造・共感) |
企業・行政・教育機関と連携し、 社会全体で非認知能力を育む仕組みを形成。 |
※スマートフォンでは、横にスライドしてご覧いただけます。
SheSTEM Japanの教育哲学
「なぜ学ぶのか?」という問いに、正解はひとつではありません。
誰かのために学ぶことも、自分のために学ぶことも、どちらも尊い。
ただひとつ確かなのは、
“あーでもない、こーでもない”と考え続けること、そしてやり続ける力が「生きる力」になるということ。
SheSTEM Japanは、STEMとデザインを通じて、
子どもたちが“学ぶことをやめない人”になるための、最初の一歩をつくります。
代表挨拶|Message from the Founder
私は子どものころ、算数や数学は好きでも得意でもありませんでした。小学校で国語のテストが満点でも、算数の出来が悪いと理系の父があまり喜ばなかった──その体験から、「国語ができるより、算数ができたほうがいいんだ」と劣等感を感じるようになりました。解けないたびに自信をなくし、算数がますます嫌いになっていく感覚は、今でもよく覚えています。
だからこそ、「算数は得意じゃない、好きじゃない」と感じている子どもたちが、「もっと知りたい」「自分でもやってみたい」と思えるような関わり方をしたいと考えるようになりました。「わからない」「できない」をそのままで終わらせず、一緒に理由をさがし、興味や学びのきっかけに変えていく伴走者でありたい──そんな思いから、中学・高校の数学教員免許を取得しました。
大学では、相対性理論を専攻しました。「宇宙の“果て”はどうなっているのだろう?」という素朴な疑問から学びを深め、理解できないことに向き合い続けた経験は、子どもたちが感じる「不安」や「もやもや」を理解できる原点になりました。
教員になることを一つの目標にしながら、「自分が学んできたことを社会の中でどう生かせるのかを一度自分で確かめてからでも、教える仕事は遅くない」と考え、最初のキャリアとして企業で働く道を選びました。
IBM、ベネッセ、パナソニック、ファーストリテイリング、グンゼ、東京個別指導学院で、人材育成・組織改革・教育事業・ブランド再生に携わり、「人が育つ環境づくり」と「学びの仕組みのデザイン」を一貫して軸にしてきました。
直近では CURIOO JAPAN 日本法人代表として、海外発の非認知能力・STEM教育プログラムを、日本の子どもたちや保護者に合わせて設計し、日本版プログラムとして展開しました。このとき、国際的な教育トレンドと日本の現場をつなぐ役割を担った経験は、子どもが「自分で問いを立て、学びを組み立てていく力」の重要性を確信するきっかけにもなりました。
こうした原体験とキャリアがつながり、立ち上げたのが She STEM Japan です。
幼いころ算数に苦手意識があったこと。理系女子がまだ珍しかった均等法第一世代の経験。企業で「育つ仕組み」をつくってきた視点。国際教育の現場で見えた、非認知能力の重要性。それらを背景に、「苦手意識やジェンダーバイアスで女の子の選択肢が早く狭まってしまう前に、新しい可能性に出会える環境をつくる」ことを目的としています。
She STEM Japan は、STEMを通じた学びの体験を通じて、子どもたちが自分の好奇心を信じて安心して次の一歩を選べること、そして性差で選択肢が狭められることのない社会をめざします。
SheSTEM Japan 代表
後藤直子
▶ SheSTEM 公式YouTubeチャンネル
動画で見る「子どもと一緒に考える算数」|ショート動画はこちら


