
私たちは日々、たくさんの情報を瞬時に判断しています。
その多くは「考える前に反応している」ような、無意識の思考によるものです。
このような無意識の思考に影響を与える「思い込み」や「先入観」を、
アンコンシャス・バイアス(Unconscious Bias)=無意識のバイアスと呼びます。
「理系は男の子が得意」「女の子はおしゃべり」「リーダーは男性が多い」――。
こうした言葉に、明確な悪意がなくても、知らないうちに“当たり前”だと感じてしまうことがあります。
それが、無意識の思い込み=アンコンシャス・バイアスです。
バイアスは「悪」ではなく、人間の進化の産物
バイアス(偏り)は、脳が効率よく判断し、生き延びるために発達した仕組みです。
人間の脳には、進化の過程で備わった2つの思考システムが存在します。
システム1:直感的で速い思考
- 自動的に、素早く働く
- 印象や感覚で判断する
- バイアスが生じやすい
システム2:論理的で遅い思考
- 注意や時間を使って考える
- 論理的・統計的な判断を行う
- 意識的に見直すことで偏りを修正できる
「システム1」があったからこそ、人間は危険を瞬時に察知し、生き延びることができました。
つまり、バイアスは人間の進化に不可欠な“生きる知恵”なのです。
🟦 アンコンシャス・バイアスの主な種類
アンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み)には、さまざまな“型”があります。
ここでは、日常や教育の場で特に起こりやすい代表的なものを紹介します。
● ステレオタイプ(固定観念)
特定の集団を「◯◯らしい」と決めつけてしまう。
- 「理系は男の子が向いている」
- 「女の子はおしゃべり」
● ハロー効果
目立つ特徴ひとつだけで、その人のすべてを判断してしまう。
● 確証バイアス
自分の思い込みに合う情報だけを集めてしまう。
● アンカリング
最初の情報に引っ張られて判断が固定される。
● 親近効果
直近の出来事の印象が強く残ってしまう。
● 同質性バイアス
自分と似たタイプを無意識に高く評価してしまう。
● ラベリング
一度ついたレッテルが、その後の判断すべてを左右する。
● 行動者–観察者バイアス
自分のミスは「状況のせい」、他人のミスは「性格のせい」と捉えてしまう。
● 権威バイアス
有名人や専門家の意見を無条件で正しいと感じてしまう。
● 社会的証明
「みんながそうしているから正しい」と思い込んでしまう。
選択肢を狭めるバイアスは「乗り越えられる」
バイアスはなくすことはできませんが、
自分の中にあるバイアスに「気づく」ことで、その影響を減らすことはできます。
特に「女の子だから」「理系は向かない」といった思い込みは、
自分の可能性を無意識のうちに狭めてしまうことがあります。
だからこそ、気づき、意識化し、乗り越える。
そのプロセスを支える仕組みが、SheSTEM Japanです。
自分の中のバイアスをチェックしてみよう
ハーバード大学の研究プロジェクト「Project Implicit」では、
無意識の傾向を測るためのオンラインテスト
IAT(Implicit Association Test)を体験することができます。
※診断ではなく、自己理解のための教育ツールです。
バイアスは悪ではありません。
誰もがもつ認知のくせです。
しかし、自分の選択肢を無意識に狭めてしまうその影響を意識化し、
乗り越えていく仕組みはつくることができます。
SheSTEM Japanは、気づきを学びと行動につなげるための「仕組み」のひとつです。
