最近よく聞く「非認知能力」って何?

習いごと、学校説明会、情報サイトでもよく出てくる言葉。
でも、なんだか難しそう…という方も多いと思います。

非認知能力とは、「テストに出ないけれど、学びや成長の土台になる力」のことです。

まずは“2つの力”のちがいから

● 認知能力(=見える力)

テストで測れる力

  • 計算
  • 漢字
  • 語彙
  • 理科・社会の知識
  • いわゆる成績・偏差値
認知能力の図

● 非認知能力(=見えない力)

テストに出ないけれど、学びの土台になる力

  • 粘り強さ
  • 集中力
  • 自信
  • 試行錯誤する力
  • ものごとを整理する力
  • 人と協力できる力
非認知能力の図

氷山にたとえると、
水面上に見えるのが認知能力
水面下を支える土台が非認知能力 です。

氷山モデルの図。水面上が認知能力、水面下が非認知能力として描かれている。

なぜ今、非認知能力がこれほど大事にされているの?

理由はとてもシンプルです。

これからの時代は、正解が“ひとつではなく”、まだ“決まっていない”問題が増えているからです。

昔の社会は、「このやり方が正しい」「この手順で進めればOK」という“決まった正解”がありました。でも今は違います。

時代や技術の変化が速く、「学び切ったら終わり」ではなく、「学び続けること」が前提になっています。 そのとき土台になるのが、あきらめずに考え続ける力・新しいことに手を伸ばす力・人と協力して前に進む力といった非認知能力です。

非認知能力は、いわば「学習行動のエンジン」です。宿題に向かう/もう一度やり直してみる/わからないことを質問する――こうした日々の小さな行動を支え、その積み重ねが学習習慣「学び続けようとする姿勢」へと育っていきます。

正解が“ひとつではない”時代に

SDGsが象徴するように、社会はとても複雑な問題を抱えています。

  • 地球を守りながら、生活を便利にするには?
  • 個人情報を守りながら、AIを使うには?
  • 会社が利益を出しながら、社会課題も解決するには?

どれも「これが絶対の正解」がありません。国や人によって価値観も状況も違います。

複雑な社会課題と多様な価値観を表す図。正解がひとつではない時代を示すイメージ。

だから必要なのが「考え続ける力」と「学び続ける力」

正解が決まっていない時代では、“答えを早く当てる力”だけでなく、 自分で考え続ける力・新しいことを学び続ける力・人と相談しながら答えをつくっていく力が大切になります。

  • すぐあきらめない
  • 試してみる
  • 間違いから立て直す
  • 人と相談して決める
  • 自分の意見を持つ
  • 状況に合わせて考え方を変える

これらがすべて、非認知能力です。

考え続ける力を表すイラスト。試行錯誤・相談・意見形成など非認知能力のイメージ。

学校教育もこの方向に動いています

● 中学入試

答えを書く“だけ”ではなく、次の力が問われています。

  • 考え方
  • 試行錯誤
  • 読み解く力
  • 自分の考えをまとめる力

● 高校・大学入試

探究・プレゼン・記述が増え、「自分で考える」「自分の言葉で伝える」力を重視する流れが広がっています。

学校教育が重視する思考力・探究・社会人基礎力を表す図

● 企業の採用

経産省の「社会人基礎力」は、まさに非認知能力と重なる力です。将来の仕事の現場でも、知識そのもの以上に「どう学び続けるか・どう協働するか」が問われています。

非認知能力は、探究する学びの中で育つ

非認知能力は、特定の教科だけで育つものではありません。

大切なのは、子どもが学びの中で、どのような経験をしているかです。

たとえば、探究学習では、子どもは身近な疑問から問いを立て、観察し、情報を集め、考えを整理し、自分の言葉で説明していきます。

その過程では、すぐに答えが出るとは限りません。

  • 思ったように進まないこともあります
  • 最初の考えが違っていたと気づくこともあります
  • 友達と意見が分かれることもあります
  • もう一度調べ直したり、考え直したりする必要もあります

こうした経験を重ねる中で、粘り強さ、自己調整力、協働性、メタ認知、自分の行動を振り返る力などが少しずつ育まれていきます。

非認知能力は「教え込むもの」ではなく、
問いに向き合い、考え、試し、振り返る学びの中で育っていく力です。

家庭で今日からできること

  • ① 結果だけでなく、考えた過程を聞く:「どう考えたの?」「どこで迷ったの?」と聞くことで、子どもは自分の考えを振り返りやすくなります。
  • ② すぐに答えを教えず、少し待つ:考える時間を少し残すことで、子どもが自分で試す経験につながります。
  • ③ 間違いを責めず、一緒に振り返る:「どうしてそう思った?」と聞くことで、間違いも次に考えるための材料になります。

まとめ

これまでの教育:正解を早く・正確に出す力が中心。
これからの教育:正解が決まっていない中で、考え続けていく力・学び続けていく力が重要に。

そのとき鍵になるのが、見えないけれど一生使える力=非認知能力です。 非認知能力は、学習行動を支え、その積み重ねが学習習慣や「学び続けようとする姿勢」へと育っていく土台として、お子さまのこれからの学びとキャリアを支えていきます。

正解をつくっていく力や非認知能力の重要性を示すまとめイメージ図