算数シンキングエンジン|“つまずく前”を鍛える6つの思考力トレーニング
「公式は覚えているのに、なぜか解けない」「計算はできるのに、文章題になると止まってしまう」。
こうした算数のつまずきの多くは、公式そのものよりも問題を読み解くときの「頭の使い方」に原因があります。
算数シンキングエンジンは、SheSTEMが独自に整理した
6つの思考Roots(思考フレーム)
をベースに、年長〜小学生の「つまずく前」をピンポイントで鍛える算数トレーニングシリーズです。
1問1問の問題が、どの力を・なぜ育てるのかがはっきり分かるように設計しています。
算数シンキングエンジンとは?
一般的なドリルは「計算力」「知識の定着」に強みがありますが、
子どもたちが算数の問題を解くとき、
頭の中でどのように情報を整理し、図や数量をイメージし、式や言葉に変換しているのかまでは見えにくい構造になっています。
SheSTEMでは、算数の問題を解くプロセスを、脳科学・認知心理学・教育学の知見にもとづいて分解し、
次の「6つの思考Roots」として整理しました。
- ROOT1:Sensorimotor(手で考える・注意を向ける)
- ROOT2:Spatial(位置・方向・空間のイメージ)
- ROOT3:Visual-Structural(形や構造のパターンを見る)
- ROOT4:Executive Logic(順番づけ・条件整理・見通し)
- ROOT5:Quantitative(量のまとまり・数理の筋道)
- ROOT6:Semantic Expression(意味づけ・説明・言語化)
算数シンキングエンジンは、これら6つのRootsを「算数の実際の問題」に落とし込んだ教材シリーズです。
子どもが問題に取り組むあいだ中、頭の中でどのRootsをどの順番で使っているのかが見えるようにし、
「公式だけ暗記して終わり」ではなく思考のエンジンそのものを育てることを目的にしています。
学術的背景:6つの思考Rootsについて
6つの思考Rootsの詳細な説明(脳のどの領域と関係しているか、どのような研究にもとづいているか)は、
下記のページで詳しく解説しています。
▶
SheSTEMの6つの思考Roots ― 脳科学にもとづく学びの土台
算数シンキングエンジンは、このRootsのフレームをそのまま教材の設計に組み込むことで、
「この問題は、子どものどの力を、どう育てるためのものなのか?」を
保護者・先生にも分かる形で提示していきます。
なぜ「つまずく前」に思考のエンジンを整えるのか
多くの子どもは、最初から算数が嫌いなわけではありません。
ところが、最初の1〜2年(年長〜小2)のどこかで「よく分からない」「自分だけ遅い」と感じた経験がきっかけとなり、
その後の算数全体への苦手意識につながることが少なくありません。
こうした早期のつまずきは、計算力そのものよりも、
数量や図形のイメージの仕方・問題文の読み取り方・頭の中での整理の仕方といった
「思考のエンジン」の部分にギャップがあることで起こります。
算数シンキングエンジンシリーズは、この「見えにくいけれど、とても大事な思考プロセス」を
3つのシリーズに分けて鍛えることで、つまずきの芽を早い段階でつみ、
「考え方さえ分かれば、自分で解ける」という経験を積み重ねていきます。
3つのシリーズで「気づく・考える・伝える」を育てる
シリーズ1:点描写トレーニング ― 「見えない形」をイメージする
主に育てるRoots:ROOT1(Sensorimotor)・ROOT2(Spatial)・ROOT3(Visual-Structural)
点描写シリーズでは、マス目や点だけを手がかりに、
家・立体・図形などの「見えない全体像」を頭の中で再構成するトレーニングを行います。
ブロック遊びや折り紙といった感覚遊びを、算数につながる空間・構造のトレーニングとして再設計した教材です。
- 点やマス目から「位置」と「形の変化」を読み取る
- 部分から全体をイメージする構造視覚推論
- 手や目を動かしながら、形を頭の中で回転・反転させる力
図形が得意な子は、計算や文章題にも強くなることが分かっています。
点描写は、その図形センスの「土台の土台」をつくる役割を担います。
▶ 点描写ミッションの一部は、
サンプル問題ダウンロードページ
から無料でお試しいただけます。
シリーズ2:数と量イメージ ― 「数えない」量感と数理の筋道
主に育てるRoots:ROOT2(Spatial)・ROOT5(Quantitative)・ROOT4(Executive Logic)
数と量イメージシリーズでは、丸・ブロック・テープ図などを使って、
数を「かたまり」としてとらえる感覚と、
「いくつ分」「何倍」「あといくつ必要か」といった数理の筋道を鍛えます。
- サブタイジング(3秒で量をとらえる)
- 「3と2で5」「2ずつ増える」といった量のまとまり
- テープ図・線分図を使った、文章題の構造理解
計算ドリルだけでは身につかない「量のイメージ」「数の関係性」を、
図とストーリーを通して感覚的に理解していきます。
シリーズ3:ストーリー図解 ― 文章題を「絵と言葉」で読み解く
主に育てるRoots:ROOT4(Executive Logic)・ROOT6(Semantic Expression)・ROOT5(Quantitative)
ストーリー図解シリーズでは、文章題・日常場面の短いストーリーを、
図や矢印・テープ図などの「見える形」に変換してから解く練習を行います。
- 「誰が・何を・いくつ・どうしたか」を整理するロジック
- 出来事の「前後関係」「増減」を図で表す力
- 自分の言葉で「どうしてそうなるのか」を説明する力
文章題が苦手な子の多くは、日本語の読解力ではなく、
ストーリーを図や数量に落とし込む変換のステップにつまずいています。
ストーリー図解は、その見えにくいステップを一つひとつ練習するためのシリーズです。
ミッションブックとミッションナビ・ブック:問題だけでなく「思考の解説」までセットに
算数シンキングエンジンは、子ども向けのミッションブックと、
保護者・先生向けのミッションナビ・ブックの2本立てで構成されています。
- ミッションブック:子どもが実際に取り組む問題集。1回10分程度で完了するミッション形式。
- ミッションナビ・ブック:各問題が「どの思考Roots」を「どのように使うのか」を解説した大人向けガイド。
これにより、「とりあえず問題を解かせる」だけでなく、
保護者や先生が子どもの思考プロセスを理解し、適切な声かけやサポートができる構造になっています。
どんなお子さま・場面におすすめ?
- 年長〜小学校低学年で、これから算数・中学受験準備を始めたいご家庭
- 計算はできるが、文章題や図形になると急に苦手意識が出てしまうお子さま
- 既存のドリル学習だけでは「考える力」が育っているか不安な保護者・先生
- 塾や学校の授業の“前段階”として、思考の土台をしっかり固めたい場合
SheSTEMの算数シンキングエンジンは、
「算数ができる子」を増やすだけでなく、
「自分で考えて分かるって、気持ちいい」という体験を積み重ねることで、
子どもたちの自己効力感と学び続ける力を育てていきます。
算数シンキングエンジンの教材ラインナップ
各シリーズの詳細や、ご購入・導入方法については、今後順次、専用ページでご案内していきます。
- 点描写トレーニング(空間・構造のRootsを育てる)
- 数と量イメージ(量感・数理のRootsを育てる)
- ストーリー図解(文章題・説明のRootsを育てる)