親が学ぶアンコンシャス・バイアス|第1部 気づく編

親が学ぶアンコンシャス・バイアス
「気づく」だけで、選択肢は広がる
アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)は、誰にでも起きる脳の自然な働きです。 ただ、家庭の声かけや評価の場面でその偏りが混ざると、子どもの選択肢を知らないうちに狭めることがあります。 ここでは、偏りが立ち上がる仕組みと、家庭でできる「気づく → 選び直す → 言い換える」の考え方を整理して紹介します。
アンコンシャス・バイアスとは
アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)とは、誰もが気づかないうちにもっている 「考え方・ものの見方の偏り」のことです。 人は日々、膨大な情報をすべて吟味して判断できないため、経験やイメージにもとづいて 省エネで素早く決める仕組みを使っています。
システム1/2、バイアスの種類、IATの紹介など、全体の整理はこちら:
アンコンシャス・バイアス解説ページへ
問題になるのは、偏りが「子どもの性質」や「向き不向き」のように固定されて伝わるときです。 親は励ましたつもりでも、子どもは「これは自分の特徴なんだ」と受け取り、挑戦の選択肢を減らしてしまうことがあります。
偏りは「速さ」に出る(IATの考え方)
アンコンシャス・バイアスは、「何を正しいと思うか」よりも、 どれだけ速く結びつけてしまうかに表れます。 ハーバード大学の研究プロジェクト「Project Implicit」では、IAT(Implicit Association Test)という方法で、 こうした“無意識の結びつき”を体験できます。
見えてくるのは「答え」ではなく、反応のクセ
- 迷わず反応した組み合わせは何か
- 迷った組み合わせはどこか
- 迷ったときに頭に浮かんだ人物像・場面は何か
※IATは診断ではなく、自己理解のための教育ツールです。
なぜ無意識に判断してしまうのか(システム1 / システム2)
私たちの脳は、危険を回避し、素早く判断して生き延びるために発達してきました。 そのため、直感的に反応する「速い思考」と、時間を使って検討する「遅い思考」を使い分けています。 アンコンシャス・バイアスが入りやすいのは、主に速い思考が働いているときです。
システム1(速い思考)
- 自動的に、素早く働く
- 印象や感覚で判断する
- 偏りが混ざりやすい
システム2(遅い思考)
- 注意や時間を使って考える
- 論理的・統計的に検討する
- 意識して見直すことで修正できる
図解つきで読みたい方はこちら:
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「ラベル」から偏りが生まれる流れ
肌の色、性別、年齢、職業、学問など。私たちは日常的に「ラベル(分類の手がかり)」を使っています。 ラベルは便利ですが、ラベルをきっかけに連想が自動で立ち上がると、 その連想が「事実」のように扱われ、無意識の偏りが判断に混ざることがあります。
ラベル
性別/年齢/職業/学問 など
連想が立ち上がる
経験や社会のイメージが自動で結びつく
無意識の偏り
短絡した判断が混ざる
関連動画(第1部:気づく編)では、ミニテストを通して、この流れを体感しながら確認できます。:
▶ YouTubeへ
家庭で:気づく → 選び直す → 言い換える
アンコンシャス・バイアスをゼロにはできません。 けれど、偏りが混ざった瞬間に気づき、言葉を選び直すことで、 子どもの選択肢を狭めず、選択肢を広げる声かけに置き換えることはできます。
「女の子だから/男の子だから」など、属性ラベルが混ざった瞬間に立ち止まる。
事実と解釈を分けて、言葉を選び直す。
例:テストが難しかった(事実)/「女の子は理系が苦手」(解釈)
属性の決めつけではなく、状況・工夫・次の一手に焦点が当たる言葉にする。
言い換え例(決めつけを外す)
- 「女の子(男の子)だから〜」 → 「どこが難しかった?一緒に分けて見よう」
- 「あなたは理系(文系)タイプ」 → 「今のやり方、どこを変えると進みそう?」
- 「リーダーは男の人が多いよね」 → 「役割はいろいろ。今日はどの役を試してみたい?」
次回、第2部では、この「選び直す → 言い換える」を家庭で続けるコツと具体例を扱います
次におすすめ
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