【算数オリンピック難問】折ったままでは、答えは見えない

半円を3本の直線で切って広げたとき、紙が最大で何枚に分かれるかを考える算数オリンピックの問題

半円の切り分け問題に隠れた「2つの視点」

算数オリンピックの問題です。
円を半分に折ってできた半円を、3本の直線で切ります。そのあと広げると、紙は最大で何枚に分かれるでしょうか。

この問題でやっていること

この問題では、次の2つのことが同時に起きています。

半円のまま切る

そのあと広げる

つまり、

半円のまま、どう分かれるか

広げたときに、何が変わるか

この2つを分けて考える必要があります。

難問といわれる問題では、多くの人が最初に迷うのは、どのように考えればいいのかです。
この問題も、一気に考えようとしても答えにはたどりつきません。

・半円のままどう分かれるか。

・広げたときに何が変わるか。

まずは、この2つに分けて考えることが大切です。

こうした考え方はどのように生まれてくるのでしょうか。
中学受験の問題をもとに、子どもの頭の中でどのように着眼が生まれるのかは、こちらで整理しています。

▶ 子どもの頭の中で、どのように着眼が生まれるのか

この問題を解くために必要な2つの着眼点

① まず「半円を最大に分ける」にはどうすればよいかを考える

── 平面分割

半円に3本の直線を引くと、最大で7つに分かれます。

ここで使うのが、平面分割という考え方です。

ポイントは、3本の直線ができるだけ効果的に交わり、
新しい線を引くたびに、できるだけ多くの部分が増えるように考えることです。

つまり、
どう線を入れれば、半円をいちばん多くの部分に分けられるか
を見る必要があります。

ここでまず、半円を最大の7つに分けることが第一の条件になります。

② 次に「広げたときに最大になる条件」を考える

── 対称とその軸

ただし、この問題は半円を最大の7つに分ければ終わりではありません。

同じ7つに分かれていても、広げたときの枚数は同じにならないからです。

ここで必要になるのが、対称の見方です。
半円を広げると、折り目を軸にして形が対応します。
ただし、折り目そのものは切れていないので、折り目に接している部分は1つのまま残ります。

折り目に接していない部分 → 2つに分かれる

折り目に接している部分 → そのまま1つ

つまり、広げたときの枚数を最大にするには、
折り目を軸として見たときに、どの部分が増え、どの部分は増えないのか
に気づく必要があります。

では、広げたときの枚数を最大にするには?

ここまでを踏まえると、この問題で必要なのは次の2つを両立させることです。

半円を最大の7つに分ける

その分け方の中で、折り目に接する部分をできるだけ少なくする

つまり、

「最大に分けること」と「広げたときに増えない部分を減らすこと」を両立させる

ことが、この問題のポイントです。

この2つを両方満たすやり方にたどりつけるかどうか。
それが、この問題の難しさであり、面白さでもあります。

この問題で使っている考え方と、その土台になる力

この問題では、平面分割対称という2つの考え方を使います。

平面分割で見ているのは、半円が線によってどう区切られていくかという構造です。
ここでは、関係や全体の分かれ方を読む構造視覚推論が思考の土台にあります。

対称で見ているのは、広げたときにどの部分がどう対応するかという位置関係です。
ここでは、折り目を基準に位置をとらえる空間根拠力が思考の土台にあります。

つまり、平面分割と対称はこの問題で使う考え方であり、
構造視覚推論と空間根拠力は、その考え方を支える思考の土台です。

◆思考のOSについてはこちら

算数オリンピックの問題は、知識を当てはめるだけでは進めないものが少なくありません。
求められているのは、何を先に考えるか、どこを分けて見るかという考え方です。
今回の問題で使った平面分割対称も、そうした考え方を支える大事な見方です。
SheSTEMでは、答えだけでなく、その裏で働いている思考の土台を大切にしています。

解説と解答は、YouTubeで図と一緒にご覧ください。

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