AI時代に必要な考える力|水差し問題で育つ思考のOS

5Lと3Lのバケツで正確に4Lを作る水差し問題を通して、状態の変化を考える思考のOSを学ぶイメージ

5Lのバケツと3Lのバケツがあります。

どちらにも目盛りはありません。
水は自由に使えます。

この2つのバケツだけを使って、正確に4Lの水を作るにはどうすればよいでしょうか?

なぜ、この問題は長く使われ続けているのでしょう?

5Lと3Lのバケツで4Lを作る問題は、「水差し問題(Water Pouring Puzzle)」として知られる古典的な問題です。

17世紀の数学者 Claude-Gaspard Bachet de Méziriac の著作にも登場する問題として紹介されており、現在でも数学、人工知能(AI)、認知科学など、さまざまな分野で扱われています。

頭の中では、何が起きていた?

問題を解いている間、頭の中ではこんな確認が何度も繰り返されています。

いまどうなっている?

次はどう変わる?

目的の状態になった?

「入れる」「移す」「捨てる」という操作をするたびに、頭の中では状態の変化を追い続けています。

いま何L入っているのか。
次の操作で何L動くのか。
その結果、どちらのバケツに何L残るのか。

このように、状態の変化を見ながら目的の状態を作っていくところに、この問題の面白さがあります。

AIは「状態」を数字で表して考える

この問題は、人工知能(AI)の学習でもよく使われる題材です。

AIは、人間のようにバケツの絵を見て考えているわけではありません。

その代わりに、「5Lのバケツに何L入っているか」「3Lのバケツに何L入っているか」を、状態として数字で表します。

たとえば、(0,3) は、
5Lのバケツ:0L
3Lのバケツ:3L
という状態を表しています。

そして、「入れる」「移す」「捨てる」という操作によって、状態がどう変わるかをたどっていきます。

(0,3) → (3,0) → (3,3) → (5,1)

これは、私たちが動画を見ながら「今は何Lあるか」「次にどう変わるか」を考えていたことと、よく似ています。

人間は、絵や量のイメージで考える。
AIは、数字で状態を表して考える。

表し方は違っても、どちらも「今どうなっているか」を表し、「次にどう変わるか」を追いかけているのです。

心理学でも研究されてきた問題

心理学者 Abraham S. Luchins は、水差し問題を使って、人がどのように問題を解くのかを研究しました。

一度うまくいった方法を覚えると、その後も同じ方法を使い続けやすくなることがあります。

このような現象は、Einstellung(メンタルセット)効果として知られています。

水差し問題は、答えを出すだけでなく、人がどのように考え方を選び、どの方法にとらわれるのかを考える題材としても扱われてきました。

SheSTEMが大切にしていること

SheSTEMでは、子どもの考える力の土台を 6つの思考のOS として整理しています。

水差し問題で見えてくるのは、状態を見て、変化を予測し、目的に向かって考え続ける力です。

いまどうなっているかを見る。
次にどう変わるかを考える。
目的の状態に向かって、手順を進める。

SheSTEMでは、このような思考を支える土台を「思考のOS」と考えています。

水差し問題は、その思考の動きを体験できる、とても面白い教材のひとつです。

チャレンジ問題

動画の最後に出てきたチャレンジ問題です。

今度は、最初に3Lのバケツを満杯にするところから始めます。
入れる・移す・捨てるを使って、正確に4Lを作れるでしょうか?

動画でもう一度、問題を確認する

答え

3Lのバケツから始めても、正確に4Lを作ることができます。

3Lのバケツを満杯にするところから始めて、5Lと3Lのバケツで正確に4Lを作るチャレンジ問題の答え

参考・引用

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